2021年01月19日

新年のごあいさつ















あけましておめでとうございます。

まずは浮葉弁護士の独立をお知らせします。浮葉弁護士とは、2015年から、通常事件だけでなく、住民訴訟や委員会活動、市民オンブズマンの調査活動など、幅広く仕事をともにしてきました。そして、ついに、今年(2021年)1月、奥様の新谷愛子弁護士と、金沢で新しい事務所を開設されました。一層のご活躍を期待します。

浮葉弁護士の新事務所は下記の通りです。

9200912 石川県金沢市大手町1515号 金沢第二ビル2

浮葉法律事務所

電話 076-255-2094  FAX 076-255-2095

同時に、当事務所では、一緒に働いてくれる弁護士も募集しています。関心のある方は、ぜひ、メールでご連絡ください。

年明け早々におめでたいご報告ができて、うれしい限りですが、世の中は新型コロナで大変な状態です。コロナ禍は、東京をはじめとする大都市一極集中からの脱却を私たちにつきつけているように思います。とりわけ、どこか人ごとの総理大臣の発言を見聞きするにつけ、自治体や地域に何ができるか、という視点から物事を考えることの重要性をひしひしと感じています。

本年も宜しくお願い致します。



(2021.1.19 新海聡)
posted by OFFICEシンカイ at 18:00| Comment(0) | 情報公開

2020年05月15日

検察庁法改正にみる政権の暴走は危険だ

司法研修所に入所したとき、検察教官が最初に言った言葉は「検察官を権力のイヌという人がいますが、間違いです。権力そのものです。」というものだった。だからー検察官の行動は誰から見ても、誰に対しても公正平等でなければならない、どんな権力者も法の下にひれ伏しなければならない、これを体現するのが、検察官がつける秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)バッジだ―というわけだ。ところが、今国会で議論されている検察庁法の改正は、検察官に付託されたこうした国民の信頼を根底から覆す。

すでに大阪地検特捜部による証拠のねつ造事件や森友学園の文書改ざんへの対応で、検察への信頼はかなり低下したことは確かだ。ところが、検察庁法改正案は、幹部検察官の定年を今よりも伸ばすだけでなく、内閣の判断で、さらに3年伸ばすことができる、という内容だ。要するに、権力に尻尾を振った幹部検察官は、ご褒美として本来の定年からさらに3年、検事総長などトップに居座れることになるのだ。森友問題の捜査で歯がみした私たちでも、権力に尻尾を振るような検察官は少数派だろう、くらいに思ってはいる。しかし、だ。政権に気に入られればトップに居座れる、と法律に定めてある以上、自分がトップに近くなればなるほど、老後の安定のために、検察官が政権の意向を気にするようになるのは、避けられない。そして、トップが政権に尻尾を振るような組織のなかで重用されるのは、政権に尻尾をふる検察官だ。時の政権に捜査のメスを入れようとする現場の検察官は、出世競争から外されることを覚悟しなければならない。

検察組織の弱体化は想像するよりずっと早いに違いない。

憲法を無視して緊急事態法を成立させ、コロナで世界が苦しんでいる今、秋霜烈日を骨抜きにし、検察を政権の私兵にすることにまで触手を伸ばした政権の暴走は危険だ。
(2020.5.15 新海 聡)
posted by OFFICEシンカイ at 18:21| Comment(0) | 情報公開

2020年04月08日

恐怖がもたらすものは、ウイルスそのものよりも大きくなる















東京都、大阪府をはじめとする7都府県に、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」にもとづく緊急事態宣言が出された。グローバリズムがこれだけ発達した時代に、世界中でこれほどまでにウイルスが蔓延し、経済が停滞したことは、これまで人類が経験したことのないものだろう。緊急事態宣言が遅すぎた、という声が聞こえる。任意の協力要請であることに対する不満と、このままだと商売が立ちゆかない、という悲痛な叫びも。クラスターの原因となった学生の在籍する大学には脅迫電話もかかって来たという。様々なフェイクニュースがネットを飛び交う。ウイルスのもたらす災厄への恐怖と見えない将来への不安が根底にある。こうした中で、ドイツの保健相は国民に向けて「恐怖がもたらすものは、ウイルスそのものよりも大きくなる可能性がある。冷静になれば課題を克服できる。」というメッセージを3月4日に発した(朝日新聞2020年3月6日朝刊)。この時点でのドイツの感染者数は350人弱。その後の感染者の爆発的拡大を見るとき、この目線のたしかさに感服せざるを得ない。と同時に、この言葉は、ますます重要度を増しているように思う。ただ、残念ながら、我が国の首相や政権幹部にはこうした言葉も気概も見ることができない。就任以降、ほとんど記者会見をせず、したとしても抽象的な理念を一方的に述べることに終始する安部首相と、連日、事実をベースとした記者会見を行っているクオモニューヨーク州知事の姿勢を比べれば、本当に困難な状況に立ち向かおうとする政治家の能力と勇気の差は明らかだ。

しかし、政治家の発言が信頼に値しないからこそ、我々は事実を正しく見て、偏見やフェイクに惑わされないようにする必要がある。ウイルスを正しく怖れ、フェイクに惑わされないぞ、という気概すら感じさせるナショナルジオグラフィックのサイト(https://natgeo.nikkeibp.co.jp)など、良心的な報道も無料で配信されている。まずは、緊急事態宣言を権力暴走のキッカケとしない冷静な目と、差別や分断を助長することを背後に隠したフェイクから自由であり続けることを、私を含め皆、肝に命じたい。(2020.4.8 新海聡)



posted by OFFICEシンカイ at 17:31| Comment(0) | 情報公開