2017年05月23日

歴史に学ぶということ
















 ベルリンのブランデンブルク門の近くにある「虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑」の入り口の碑文に、It
happened, therefore it can happen again: this is the core of what we have 
to say.(一度起きたことは、もう一度起こりうる。)という言葉が記載されている。アウシュビッツを生き残ったイタリア人化学者・作家のプリーモ・レーヴィさんの言葉だ。2005年にここを訪れた時、私たちだったら、二度と起こさないようにしよう、という言葉で結んでしまうだろうな、と思った。「もう一度起こりうる」と述べることで、過去を風化させない強い意思をこの言葉は示している。この言葉を碑文に記すことで、歴史に学ぼうとするドイツの本気さに胸を突かれた。

 さて、共謀罪である。濫用によって戦前の治安維持法のように運用されるのではないか、という国会での質問に対して、「濫用はありません。」と言い切る大臣。ここには歴史に学ぼうとする意思も、過去を風化させない、という意欲も、皆無だ。森友学園の問題にしても、加計学園の問題にしても、政権に都合の悪い文書はありません、との答弁ばかり。政治的な立場はどうであれ、過去に学ぼうとしない権力者の判断が正しかったことはない。国会答弁から見える我が国の民主主義の貧困さは、深刻だ。
posted by OFFICEシンカイ at 10:32| Comment(0) | 日記