2017年09月09日
大会、終わりました
私が事務局長をつとめる全国市民オンブズマン連絡会議の全国大会が、先週末の9月2日、3日、和歌山で行われた。今年のメインテーマは情報公開。森友問題や加計問題、自衛隊日誌の問題など、あるべき文書が「ない」とされた最近の事件を受けてのものだ。テーマに即して、47都道府県と20の政令市、48の中核市、それに14の省庁に対して、電子情報をどのように扱っているかのアンケート調査を行い(これ大変なのです)その結果を発表した。情報公開、というと、オンブズマンの活動の中でも、政務活動費の問題などと比較して、ムズカシイ、と思われがちだ。その分、大会テーマとしては地味で、知る人ぞ知る調査、となってしまうことが危惧されたが、9月3日にNH>が7時の全国ニュースで、毎日新聞も9月7日の朝刊で報道してくれた。
さて、アンケートでは、電子情報を情報公開の対象とするかどうかは、文書の中身などを見た上で判断する、という回答が圧倒的多数を占めた。さらに、14省庁の回答となると、かなりモンダイだ。情報公開法が、組織として用いる文書は情報公開の対象とする、と定めているにもかかわらず、役所の共有サーバーに保管した文書であっても、情報公開の対象とするかどうかについては、その都度判断する、というのだ。だって、共有サーバーに文書を保管するっていうのは、組織として使うからでしょ。加計学園問題では、役所の共有サーバーに保存していた「官邸の意向」などと書かれた文書も、情報公開の対象の行政文書とならない、と当初官房長官は説明したが、そうしたことが政府の文書では常に起こり得ることを示すのだ。
この結果を見る限り、国でも、自治体でも、公開したくない情報は、情報公開の対象ではない、として不存在(ありません)と回答することが、かなり頻繁に行なわれている気がする。我々も、ありません、と言われたら、それで納得するのではなく、本当にないのか、周辺の文書や会議などの録音などを情報公開請求して、「不存在」理由での逃げ得を許さないようにすべきだ
日本に情報公開を根付かせるには、まだまだ時間が必要である。
なお、この調査をふくむ全国大会での市民オンブズマンの発表資料は(全国オンブズマンのウェブサイト)から見ることができます。
新海 聡
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