2019年02月05日

選挙の年に

公文書隠しやら公文書偽造やら、あれこれ書くことが多すぎて、しかもそういったことについてほかで書いているうちに、スッカリブログの更新がおろそかになってしまった。しかも年が始まってもう1ヶ月。ことしはもっと情報を発信しないとね。
 さて、ちょっと前の話になりますが、朝日新聞が「平成その先へ@東海」という特集で、市民オンブズマンを取り上げてくれた(1月9日付朝刊)。情報公開を用いた行政監視、という視点から、95年の官官接待の追及について回顧した、愛情あふれる記事だ。情報公開制度を用いた行政監視は、たしかに、それまでにはなかったことだと思う。では、あれから24年、情報公開制度はどこまで充実しただろうか。食糧費や旅費、交際費といった違法な支出が問題となったものについては、ほぼ公開されるようにはなった。しかし、市民が政治に参加するツールとして情報公開制度を考えたとき、最も公開されなければならない情報は、行政が何かを決定する過程の情報だ。政権や自治体の首長が何をしようとしているかを市民が知り、これに意見を述べることで、行政の決定に市民の意見を反映させることを情報公開制度は目指しているからだ。ところが、決定前の議論のプロセスが公開されることは、まずない。立法課程の情報などは国会に法案が上程されて初めて公開する、という運営が続いている。しかも、今の国会では情報をもとにした十分な議論は期待できない。誰が言い出したか知らないが、議論の内容ではなく、審議時間だけをもとに裁決が強行されることの繰り返しだからだ。情報公開制度の充実度は、政治がどれほど民主主義の原理に忠実に行なわれているかの物差しなのに、政権にはまったくその意識はない。この一年、財務省や文科省、防衛省で公文書の管理の問題があれほど問題になりながら、政権が公文書管理法の改正をしようとしないことは、政権の体質を示している。
 さて、2月3日の選挙で愛知県では大村知事が三選された。今年は統一地方選と参議院議員選挙があることから、選挙の年、という年始めの報道もあった。ところが、知事選の投票率はわずか35.5パーセント!それでも、前回の知事選の投票率を上回ったという。こんなことではいけない。低投票率が政治の暴走を生み出す(支えている)ことを意識すべきだ。
 投票してもどうせ変わらない、などということは絶対ない。投票した候補者が当選しなくても、当選した政治家をビビらせることは重要だ。「こんなことやっていると落ちるかもしれない」という気持ちを政治家に持たせるだけでも、政治の暴走の歯止めになるのだ。
posted by OFFICEシンカイ at 14:43| Comment(0) | 情報公開