2017年07月01日

ビートルズがやって来た

朝ドラの「ひよっこ」が面白い。ビートルズ来日直前の赤坂の様子なんて、どのアーカイブ番組よりも生き生きと描かれているんじゃないか。
僕がビートルズを初めて意識して聞いたのは、70年のが最初だから、来日の記憶は、ほとんどない。だけれども、ヒロインの叔父の宗男が言う、腹の中に思っていることを叫ぶと胸がスッとするビートルズの音楽を聴いているとそういう気持ちになる、なんて感じ、わかるわかる。ビートルズから始まって、ロックを聴き続けてきたけど、ロックを聴くっていうことはそういうことだったよな。それに「ビートルズがやって来る東京にいるっていうことだけで、オレはいいんだ。」なんて泣かせる。ビートルズ来日の映像に映っているファンも、きっとそういう気持ちではないだろうか。
ビートルズ訴訟で、フィルムに映っているファンの顔は個人情報だから、モザイク加工しないと開示できません、などというのが警視庁の言い分だ。しかし、僕がフィルムに映っていたとしたら、絶対にモザイクにされたくない。ビートルズに熱狂する気持ちは、紛れもなく、ピュアな若い精神なのだから。
ビートルズに集まったファンを不良と位置づけ、あれは若気の至りでした、だからモザイクにしてほしい、という気持ちを忖度した、とでも警視庁は言いたいのかしらん。しかし、だ。ビートルズを好きだ、ということは、権力に気持ちを忖度されることを何よりも嫌う、ということなのだよ。裁判勝とうぜ!
新海 聡
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2017年06月02日

情報公開とビートルズ

 50年前の今日、ビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」が発売された(らしい)。先週、私も50周年記念盤の「サージェント〜」のを買ってしまったが、いったい、「サージェント〜」を買わされるのはこれで何回めだったかな・・。去年は去年で、来日50周年ということで、テレビも相当に盛り上がったし。
 ところで、その51年前。ビートルズの羽田到着から武道館でのコンサート、ホテルの様子、羽田からの離日までの様子を、警視庁が16ミリのフィルムで撮影し、現在もフィルムを保有している、という事実をご存知だろうか。
この映像の存在が知れるようになったのは最近のことで、その一部は昨年公開されたビートルズの記録映画「エイトデイズアウィーク」に用いられている。だが、一部ではなく、全部が見たい。そうした気持ちで、私たちは警視庁にフィルムの情報公開請求をした。これに対して警視庁は、フィルムに映った当時のファンの顔は個人情報だ、として、ファンの顔の写っている部分を非公開としてきた。しかしいったい、50年前のファンの顔は今も「個人情報」としてモザイクにする必要があるのだろうか。わが国も含めて、ビートルズに熱狂するファンの顔をモザイクにした映像など、これまで見たことがない。
 この非公開処分については、東京地方裁判所に取り消し訴訟を提起した。その経過については、また、ご報告したいが、ここでの問題は、本当に個人情報として保護する必要があるか、という点だ。とりわけ最近、公開することの都合が悪いと行政が判断した情報が、個人情報を理由として非公開とされているように思えてならない。本当に保護すべき個人情報であれば、非公開とされるべきである。しかし、この処分を含めて、情報の非公開の理由に「個人情報」を持ち出すことで、非公開に対する非難をかわし、世論を味方につけようとする行政の底意が見て取れることもしばしばだ。そもそも真剣に「個人情報保護」を考えているのであれば、1秒間に10万件もの顔の照合が可能と言われる、警察の監視カメラの画像データや捜査に用いた捜査といった、プライバシーを侵害する捜査についての法規制をきちんとすべきだ。ところが、捜査機関による個人情報の取得や管理については、法の規制は不十分のままだ。
 ということで、ビートルズ来日フィルムの情報公開訴訟は、「個人情報」と情報公開を問う重要な裁判なのです。

(2017.6.2  新海聡)
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